スッと鼻筋が通った高い鼻が欲しい。
そんな人の中には、プロテーゼを入れようと考えている人もいるのではないでしょうか。
プロテーゼを挿入すれば、鼻筋の通った高い鼻を手に入れることができます。
ですが、プロテーゼを入れることは鼻にメスを入れることでもあります。
そのため、施術をしてもらうのが怖い人もいるのではないでしょうか。
この記事では、鼻整形をする前に知っておきたいプロテーゼのメリットとデメリットについてまとめてみました。
プロテーゼとは
そもそもプロテーゼとは何なのでしょうか。
何となく知っているけれど詳しくは知らない、という人のために最初に説明しておきます。
プロテーゼは、身体の形態と機能を補うための人工物です。
美容外科の分野では、豊胸手術で用いられるシリコンバッグや、鼻を高くするために用いられます。
鼻整形で使われるプロテーゼは、多くの場合、シリコン樹脂でできています。
シリコン樹脂はアレルギー反応を起こしにくく、また、適度に柔らかいため鼻の骨にかかる負荷も少ないです。
プロテーゼは、主に鼻筋の成形をするために使われます。
プロテーゼの挿入で得られる效果は、前述したように、鼻筋を通し、鼻を高くできることです。
それによって鼻先が細く見え、小鼻が小さく見えるという相乗効果もあります。
こんな人に向いてる!
鼻整形をする際、プロテーゼの挿入が向いている人は以下にあてはまる人です。
- 半永久的に高い鼻が欲しい人
- 鼻筋をシュッと細くしたい人
- 鼻先を細くすることで小顔の印象を与えたい人
- 鼻先の丸みをなくしたい人
- 鼻先を出したい人
プロテーゼの挿入は、ヒアルロン酸注射と比べて、鼻をより高く、長く保ちたい人に向いています。
美しくて高い鼻が欲しい人におすすめの施術方法です。
プロテーゼのメリット・デメリット
この記事を読んでいる人が一番知りたいでろうプロテーゼのメリットとデメリットを簡単にまとめてみました。
最初にプロテーゼのメリット・デメリットを押さえておくと、後述するプロテーゼの種類や施術方法のどこが優れていて、どこに問題があるのかが分かりやすくなります。
プロテーゼのメリット
プロテーゼのメリットは以下の通りです。
- 効果が半永久的
- 長い目で見るとヒアルロン酸注射や溶ける糸による鼻整形よりも経済的にお得
- 鼻筋を通して高い鼻になるので目鼻立ちがハッキリする
- 鼻の内側から挿入できるので傷が外からは見えない
プロテーゼは半永久的に効果が続くので、長い目で見るとリーズナブルです。
また、もう少し補足しておくと、プロテーゼは、形があるものを挿入して鼻を高くするため、自分の理想の鼻の高さに細かく調整することができます。
内側にメスを入れるので、傷が外からでは見えないところも安心して手術を受けられるポイントです。
プロテーゼのデメリット
プロテーゼはメリットだけではありません。
当然、デメリットもあります。
デメリットも認識した上で施術をしてもらいましょう。
- 切るタイプの鼻整形なので施術中、施術後ともに鼻への負担がある
- 半永久的だがトラブルがあったら抜去か入れ直すことが必要
- ダウンタイムが1週間と長め
- 施術後、数日間は痛みがある
プロテーゼ挿入は鼻にメスを入れるタイプの施術となるので、手術を受けるときに不安を感じる人が多いです。
また、施術後しばらく痛みがあります(内服薬である程度はコントロールが可能です)。
そのため、鼻にメスを入れるのが怖い人は、ヒアルロン酸注射のような切らないタイプの鼻整形の方が向いているかもしれません。
ヒアルロン酸注射なら、施術時間も5分程度と短くダウンタイムもほとんどありません。
鼻を高くする方法はプロテーゼだけではないので安心してください。
プロテーゼは、鼻筋を通してスッキリとした高い鼻をつくることに向いていますが、大きな鼻を小さくしたり、控えめな鼻にしたりすることには不向きです。
このような場合は、たとえば、鼻翼縮小手術を検討してみるのはいかがでしょうか。
鼻翼縮小手術の内側法や外側法なら、鼻の余分な部分をメスでカットすることで鼻の大きさを調節することができます。
鼻整形の方法や種類については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

プロテーゼで可能なことと、他の施術方法で可能なことはそれぞれ異なります。
自分の鼻を高くしたい、鼻の穴を小さくしたい、豚鼻を解消したいなど、それぞれ問題を分けて、一つ一つ解決していくことが大切です。
混同されがちな「ゴアテックス」との違い
そもそもの話、ゴアテックスとは何なのでしょうか。
ゴアテックスは、シリコン樹脂と比べるとちょっとややこしいのですが、微細な孔をあけたフッ素樹脂の膜のことです。
その使い道は、衣料素材や人工血管、プロテーゼ素材などとなります。
プロテーゼは、鼻にシリコン樹脂を入れるだけではありません。ゴアテックスを入れる場合もあります。
シリコン樹脂もゴアテックスも、どちらも鼻整形ではプロテーゼ素材として用いられています。
シリコンのプロテーゼとゴアテックスのプロテーゼは、鼻整形においては、どちらも鼻に挿入して鼻を高くするために使われます。
この2つは混同されることがありますが、その違いは何なのでしょうか。
具体的に表にまとめてみたので参考にしてみてください。
シリコンプロテーゼの特徴
プロテーゼの種類 |
シリコンプロテーゼ |
材質 |
シリコン樹脂 |
フィット感 |
わずかに動く |
取り出しやすさ |
除去しやすい |
加工のしやすさ |
・表面がつるつるしている |
メリット |
・綺麗な鼻筋をつくれる |
デメリット |
・綺麗な鼻筋すぎて人工的だと思われる可能性がある |
ゴアテックスの特徴
プロテーゼの種類 |
ゴアテックス |
材質 |
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン)を特殊延伸加工して作る多孔質層のフィルム |
フィット感 |
ほとんど動かない |
取り出しやすさ |
がっちり固定されるため除去しにくい |
加工のしやすさ |
・柔らかい |
メリット |
・厚みや形を自在に加工でき、自然な鼻筋になりやすい |
デメリット |
・生体組織と馴染みがよく癒着するため除去が困難 |
大手のクリニックの場合、プロテーゼ素材はシリコン樹脂を使うことが多いです。
そのため、単にプロテーゼと表記している場合、シリコン樹脂を用いたプロテーゼのことを意味している、と考えて良いかと思います。
シリコン樹脂を用いる一般的なプロテーゼとゴアテックスを用いるプロテーゼは、どちらの方が優れているということはありません。
それぞれメリット・デメリットが異なるため、医師とのカウンセリングの際に、自分の理想の鼻について伝え、現在の鼻の状態を踏まえた上で、もっとも適した鼻整形の施術方法を提案してもらうのが良いでしょう。
プロテーゼの種類
プロテーゼのメリットとデメリットを知っておくと、プロテーゼの種類や施術方法などがより深く理解できます。
プロテーゼの種類は、プロテーゼは、主にI字型とL字型、中間型の3種類に分けることができます。
これらは、鼻整形を受ける人の鼻の状態や理想とする鼻によって使い分けられるのが一般的です。
I字型プロテーゼ
I字型プロテーゼは、その名前が意味するように、アルファベットの『I』の形をしています。
眉頭から鼻先まで挿入して、鼻背(いわゆる鼻筋)を高くすることが可能です。
I字型プロテーゼは、他のL字型プロテーゼや中間型プロテーゼと比べると、鼻先への負担がかからないのが特徴となります。
L字型プロテーゼ
L字型プロテーゼは、名前のとおり、アルファベットの『L』の形をしています。
L字型プロテーゼなら、鼻筋や鼻先を高くできます。
また、高くできるだけでなく、丸い鼻先をシュッと細くすることが可能です。
L字型プロテーゼの良いところは、鼻の高さを調節できるところです。
ただし、鼻への負担が大きく、鼻尖部を内側から圧迫します。
赤くなったり皮膚を突き破って出てきたりする危険が稀にあるので、L字型を取り扱っていないクリニックもあります。
万が一、鼻先の皮膚が赤くなってきたら、速やかに担当医師に相談して、除去か、自家組織へ入れ替えなどの対応をしてもらうことが必要です。
中間型プロテーゼ
中間型プロテーゼは、L字型プロテーゼの角の部分がなめらかになっており、I字型プロテーゼとL字型プロテーゼの中間のような形をしています。
なぜ、中間型プロテーゼがつくられたのでしょうか。
それは、先ほども申し上げたように、L字型プロテーゼの場合、Lの角の部分が鼻先にあたることで鼻先を傷つけてしまう危険があるためです。
中間型プロテーゼは、鼻先を傷つけず、鼻先を出したいときに用いられます。
プロテーゼは基本的にオーダーメイド
鼻の形やサイズは人によって異なります。
I字型、L字型、中間型の3種類のどれかのプロテーゼを入れれば、それだけで問題なく鼻整形が成功するわけではありません。
プロテーゼのサイズが大きすぎれば、鼻への負担も大きくなります。
プロテーゼは、オーダーメイドでつくられることがほとんどです。
鼻整形を受ける方の鼻骨の状態に合わせ、理想の鼻の形に合うように選択・加工されます。
その際は、高さや幅、反りなどのポイントを意識して、鼻整形を受ける人の鼻の骨にフィットするように丁寧に作成されます。
プロテーゼの施術方法
プロテーゼは主にI字型プロテーゼ、L字型プロテーゼ、中間型プロテーゼの3種類がありますが、そのなかで主に使われているのが、I字型プロテーゼです。
プロテーゼは、そのまま使用されることはほとんどありません。
鼻整形をする人の鼻の状態や理想とする鼻に合わせて数ミリ単位で削って、大きさや厚みを調整します。
プロテーゼを挿入する際は、傷が目立たないように鼻の穴の中を切開します。
鼻の穴を数ミリ切開して骨膜を剥離し、プロテーゼを骨膜下へ入れて傷口を縫い合わせます。
この方法は、クリニックよってはクローズ法と呼ばれており、傷跡は数ミリ程度と小さく、鼻の穴の切開なので外から見えないところがメリットです。
また、プロテーゼの挿入には、オープン法と呼ばれるものもあります。
オープン法は、鼻の下の鼻柱の部分をわずか数ミリほどメスで切開し、皮膚を持ち上げてプロテーゼを入れます。
切った箇所は鼻の下の目立たない部分ですから、正面から見ても傷があるとはほとんど分かりません。
傷についても3ヶ月ほどでほぼ消えてしまうので安心です。
プロテーゼの施術時間ですが、1時間ほどが目安です。
施術後は、数日間テープで固定することが必要となります。
プロテーゼは痛いの?
プロテーゼの挿入は、麻酔を使うため施術中の痛みはありません。
施術後、数日から2週間ほどは痛みがありますが、特に痛いのは最初の数日であとは徐々に治まっていきます。
また、痛みの他に腫れや内出血もありますが、腫れは1週間程度で引くことが多いです。
個人差はあるものの、7日~10日で腫れは引いて、むくみ程度となります。
そのむくみも次第に引いて、2カ月もすればスッキリした鼻筋となっていきます。
施術後の痛みが心配な人は、痛み止めを処方してもらえるので、ある程度痛みのコントロールが可能です。
繰り返しますが、プロテーゼの挿入は切るタイプの鼻整形です。
「痛いのが苦手、でも鼻は高くしたい」という人は、切開しないタイプの鼻整形であるヒアルロン酸注射を選ぶのも良いかもしれません。
ヒアルロン酸注射は、メスを入れるタイプの鼻整形と比較すると費用が安いので、整形が初めての人でも挑戦しやすい気軽さがあります。
プロテーゼの腫れの期間・ダウンタイム
先ほど少し触れましたが、プロテーゼの腫れの期間は、1週間ほどとなります。
施術後、数日間は鼻の付け根が腫れ、人によっては目元の近くまで腫れることもあるかもしれません。
ずっと腫れや赤みや痛みが引かないときは、感染の恐れがあるので速やかに担当の医師に相談しましょう。
一方、内出血がある場合は、1週間から2週間くらいで徐々に治まっていきます。
以上のことから、プロテーゼのダウンタイムは短めに見積もって1週間程度が目安と考えれば良いかと思います。
長くても2週間以上はかからないでしょう。
ヒアルロン酸注射のダウンタイムがほぼないことを考えると、長めに感じる人もいるかもしれません。
プロテーゼの施術後のダウンタイムの過ごし方については、マスクや帽子などで鼻への視線を避ければ、だれかに気付かれる心配が少ないです。
また、日常生活においては、入浴など血流を促進する行為は控えた方が無難です。
激しい運動も避けた方が良いでしょう。
鼻については、極力いじらず、負担がかかるような行為は控えましょう。プロテーゼが定着するまではマッサージもしない方がよいかと思います。
メイクについては、鼻以外であれば当日から可能です。
鼻についても、固定や腫れ、むくみを予防するためのテープが取れればできるようになります。
プロテーゼによる鼻整形の平均的な値段
鼻整形におけるプロテーゼの値段はどのくらいでしょうか。
クリニックにもよりますが、プロテーゼの施術の値段は200,000円~400,000円ほどです。
いくつかのクリニックの施術料金を平均した結果、プロテーゼ挿入の平均的な値段は250,000円ほどとなりました。
プロテーゼは、鼻にメスを入れるタイプの鼻整形であり、切らないタイプの鼻整形と比較すると料金が若干高くなる傾向があります。
もし、鼻整形の施術方法別でかかる費用が知りたい人は、以下のページも参考にしてみてください。
ある程度予算が決まっている人は、鼻整形にかかる費用の相場を知った上で計画を立てるのが良いかと思います。

プロテーゼに関する様々な疑問について
この項では、プロテーゼに関するさまざまな疑問について答えていきます。
プロテーゼは一生もつ?老後はどうなる?
プロテーゼは半永久的にもつと言われています。
一度入れたら生涯体内に入れたままで変質することはありません。老後も変わらず入れたままにしておくことが可能です。
ただし、感染で鼻が赤くなったり痛みを感じたり、不意の事故で鼻に衝撃を受け、プロテーゼの形が変形した場合は、抜去か再度、新しいプロテーゼを入れ直す必要があります。
プロテーゼがずれる、飛び出ることはある?
挿入したプロテーゼが鼻の中で不安定にぐらつくことがあります。
ただし、プロテーゼがぐらつくケースは稀です。
プロテーゼは、基本的に、鼻のなかで動かないように挿入されます。
鼻を殴られたり、ぶつかったり、強い衝撃を受けなければ、ずれる心配はないでしょう。
では、鼻に挿入したプロテーゼが飛び出すことはあるのでしょうか。
これについては、滅多にないことではありますが、加齢や自分の鼻の大きさに合っていないプロテーゼを挿入した場合、鼻の皮膚が菲薄化(ひはくか)し、プロテーゼが飛び出ることがあります。
菲薄化というのは、角質層や真皮層が薄くなって炎症を起こしてしまう現象のことです。
L字型プロテーゼは、特に鼻に負担がかかるため、このようなケースが報告されています。
心配な人は、カウンセリングの際に医師によく相談して、鼻に負担がかからない施術方法を提案してもらうのが良いでしょう。
メンテナンスは必要?
プロテーゼの施術後は、基本的にはメンテナンスの必要がありません。
プロテーゼ素材であるシリコン樹脂は、挿入後に人体に吸収されず、変形もしません。
ただし、感染を起こしたときは抜去することが必要です。
また、外部から衝撃を受けてプロテーゼが変形した場合も、抜去や新しいプロテーゼを挿入し直す必要があります。
他にも、加齢によって挿入箇所の皮膚が薄くなったり、プロテーゼが鼻の中で動いたりしてしまった場合も何らかの処置をする必要があります。
以上のようなトラブルがなければ、プロテーゼの効果は半永久的に続くでしょう。
ヒアルロン酸注射や溶ける糸の効果は1年ほどなので、それらに比べればプロテーゼの持続時間はとても長いと言えるのではないでしょうか。
鼻整形のメンテナンスについては以下の記事でも詳しく書いているので、興味があればこちらも参考にしてみてください。

豚鼻ができなくなるって本当?
プロテーゼを挿入すると、指で鼻先を押しても豚鼻が上手くつくれません。
これは、プロテーゼにある程度硬さがあり、鼻が曲がりにくくなってしまうためです。
指で押したときに豚鼻がつくれるような自然な仕上がりが良い場合は、ヒアルロン酸注射のような施術を検討してみるのも良いでしょう。
プロテーゼだけで理想の鼻に近づけるの?
プロテーゼはサイズの調節ができるため、細かい鼻の調整が可能です。
しかし、プロテーゼのみで理想の鼻にできるかどうかは、鼻整形を受ける人の理想の鼻がどんなものかによると思います。
理想の鼻によっては、プロテーゼ挿入の必要はなく、ヒアルロン酸注射だけで十分なこともあるでしょう。
あるいは、プロテーゼに加えて、鼻翼縮小手術を受けることが必要な場合もあるかもしれません。
担当医師のカウンセリングを受ける際は、どのような鼻が理想なのかをしっかり相談しておきましょう。
その上で、もっとも自分の身体に負担がかからない施術方法を提案してもらうのが良いかと思います。
【まとめ】プロテーゼによる鼻整形のメリット・デメリット
長くなりましたが、ここで簡単にまとめます。
プロテーゼのメリットとデメリットについては、以下のことを押さえておけばバッチリです。
プロテーゼのメリット
- 効果が半永久的
- 長い目で見るとヒアルロン酸注射や溶ける糸による鼻整形よりも経済的にお得
- 鼻筋を通して高い鼻になるので目鼻立ちがハッキリする
- 鼻の内側から挿入できるので傷が外からは見えない
プロテーゼのデメリット
- 切るタイプの鼻整形なので施術中、施術後ともに鼻への負担が大きめ
- 半永久的だがトラブルがあったら抜去か入れ直すことが必要
- ダウンタイムが1週間と長め
- 施術後、数日間は痛む
プロテーゼは、半永久的に鼻筋を通して高い鼻を手に入れることができる反面、施術後に痛みがあったり、ちょっと長めのダウンタイムがあったりとデメリットもあります。
これらのことを理解した上で、施術をしてもらうことが大切です。
プロテーゼのようなメスを入れる鼻整形が怖い人は切らずにできる鼻整形もあります。
医師にカウンセリングをしてもらった上で、自分に合った施術方法を紹介してもらいましょう。